「甲子川の鮎はすこぶる美人であった」の巻

2016年7月9日

釜石・甲子川・釜石高校下流。釜石に引っ越してきて初めての鮎釣り。

実は前週3日の解禁日にも竿を出そうとして準備をしていたのだけど、昼前に川見をして何人かの釣り人に聞いたらほとんど釣れないとのこと。橋ごとに車を止めて川の中をのぞき込むも鮎の姿は確認できない。土手に座り込んでしばらく眺めるも竿が立ったのを確認できたのは1回だけ。期待できそうもないので解禁日は竿出しを辞めてしまった。


そして9日。朝から小雨。先週の状況からしてたいして期待はできないが、さすがに待てない。虫がすっごく疼いている。モヤモヤをたくさんかかえて一週間過ごししてもストレスが溜まるだけなので、釣れないのを覚悟で川に向かった。


オトリを買う前に川を見たけど、先週と大差ない。橋の上から見ても「ギラッ!」が全く見えない。期待薄に拍車がかかってしまった。

おやま釣具店で寄付金(入漁料の代わりです)を払ってオトリを買ったのだがオトリが小さい。15cm程度の鮎。店の人に釣況を聞くと昨日は天気も良く良かったが、全体的には可もなく、不可もなくと言ったところという話が返ってきた。


11:30 入ったのは釜石高校下流の車が渡れない小さな橋の上流部。先客2名。人が少ないのはたいして釣れていないのと小雨のせいだろう。瀬肩の鏡に入った方が泳がせて数匹掛けているがサイズは小さい。

ずぼらにも昨年使用したメタル007の市販の完全仕掛けをセットし、瀬肩でポツポツ掛けている人の上流の瀬尻でスタートした。


開始1時間音沙汰無し。ン~! やっぱり思った通りかい。

50m上流の瀬肩に移動して、2匹目のオトリを出動させた。流れの脇のヨレで「コンッ!」という小さなアタリでやっと一匹目。慎重に引き抜くとなんとも可愛い15cmの山女魚ちゃん。「あちゃ~!」てな感じで、俺の心の中の水中糸はぷっつりと切れそうでした。


気持ちを立て直して弱り気味のオトリを再び緩い波立ちの中に泳がせました。そしたらすぐに「コンッ!」です。「鮎であってくれ~」と祈りながら引き抜くと、オトリと同じサイズ、15cm程度の鮎でした。

でもすっごく嬉しい。甲子川の、岩手の初鮎です。追星も目立たない決して美しいとはいえない鮎ですが掛ってくれたことに感謝です。


ここまで1時間半。この後のしんどい釣りを容易に予想できますが、実際はここから「確変」です。地獄から天国への階段を一気に上り詰めることになるのです。友釣りの面白さの真骨頂です。

やっと掛った天然モノに付け替えて泳がせます。「ゴン!」という重いアタリ。なかなか浮かない元気な奴です。やっと抜いたのは18cmの鮎。「おるやんけ~」と村田満師匠ばりに叫んでしまいました。

鮎が薄いと判断して、似たような瀬の右岸寄りの脇の鏡のポイントを上流に移動しながら攻めていきました。

そうするとですよ。掛るではないですか。連発はないもののポツポツと。しかも良い型ばっかりです。

追星真っ黄色の娘もいます。肌のきめも細かく、スイカの香りもぷんぷんです。

体高のあるグラマラスの娘もいました。

「おりゃ~!」「いたで~!」「大きい 大きい~!」人のいない川の中で村田満師匠に変身してしまいました。(人のいる川では恥ずかしくてできません)

19cmにこの日最大の19.5cmが掛った時にはたぶん満面の笑みで引き抜いたのでしょう。空から自分を見てみたかったですね。


この日のパターンは右岸寄りの早瀬の流れの脇の緩いところ。追い気が強くないので、泳がせるのではなく、背ばりを打って止めて待つパターンでした。

1か所で釣れるのは1匹か2匹。同じ景色を求めて少しずつ釣りあがっていったのが正解だったようです。

17:00 釜石市歌がチャイム代わりに流れます。これをもって打ち止めです。

5時間半21匹 1時間半の地獄を見たことを思えば上出来でしょう。

出る出るポイントを発見したおかけですこぶる美人の鮎にたくさん出逢えました。

岩手・釜石の鮎初日。いいスタートが切れました。  (合掌)

岩手釜石 晴釣雨読

2016年5月末に釜石移住。 慣れない単身赴任の生活と三陸の海釣りと鮎釣りを中心としたぐーたら親父のブログです。

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