「ウニ加工のお手伝いをしてきました」の巻

岩手・釜石は今ウニ漁の最盛期です。6月から8月盆前までが決められた漁期なのです。

ウニの旬はまさに今。旬だから高値が付く。漁師さんにとってこの時期のウニと冬のアワビは稼ぎ時なのです。

ウニと言えば全国的に通用しますが、釜石では「カゼ」とか「ガゼ」という人もいます。ウニの一種に「ガンガゼ」というのがいますが、この「ガゼ」でしょう。オレの田舎、福島県相馬市でも漁師だったじいさんは「ガゼ」と言ってました。


【ウニも頑張ってへばりついているんだよ】

ウニ漁師は日の出とともに出港し、水深3-10mエリアで箱メガネを覗きながらウニを発見して直径20cmくらいの網で磯に付いているウニを採ります。

凪だと採りやすいのですが、うねりが強いと船が揺れて採りづらいのとウニも流れに負けないようにしっかりと磯にへばり付くため、なかなか剥がれないそうです。そういう時は網ではなく鈎(カギ)を使って採るそうです。

一日の漁獲制限は写真のオレンジ色のカゴ一つ。これ一杯で約20kg。この20kgから取れるウニの食べられる部分(卵巣や精巣)は3-4kg程度だそうです。

【人出のいる水揚げ後の加工】

水揚げしたウニは作業小屋に運び込んで、割り⇒ワタ取り⇒身取り⇒洗い⇒出荷といった一連の作業をこなします。

出荷の時間が決まっていますので、それに間に合わせなければなりませんし、なによりのんびり作業していると鮮度も落ちてしまいます。

オレら素人ができるのは割りとワタ取り。

ウニを専用のプライヤーで二つに割って中を洗い、内臓や異物をピンセットで取り出します。そのあと漁師さんが専用のスプーンで身を取り出し、色や形状で仕分けして洗って出荷します。

【顔が見えない関係だったんですね】

ウニは共販というシステムで出荷しています。

漁協が漁師から買い上げて流通に乗せる。

加工に回るものもあれば、生食用に寿司屋やスーパーを通して消費者のお手元に届くのもあります。

ウニに限らず海産物は商品情報や生産者の顔や名前がなかなか消費者まで届きません。

農産物には生産者の名前や似顔絵がパッケージや値札シールに印刷されることも多くなりました。安心して、親しみをもって買うことができます。


トレーサビリティっていうんですか。

どこの漁協の誰がどこの海域で採って、いつ加工して、温度管理は・・・ってそこまで一気に難しいだろうけど、「旨い!」って思ったお客様が生産者に「美味しかったです」って言える関係を作りたいですね。

今は誰にお礼を言ったら生産者まで届くのか分かりませんよね。

岩手釜石 晴釣雨読

2016年5月末に釜石移住。 慣れない単身赴任の生活と三陸の海釣りと鮎釣りを中心としたぐーたら親父のブログです。

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