「今年のお盆も鮎釣り三昧」の巻

【いつもと違う今年の夏】

「四万十川遠征隊」と勝手に命名して30年。毎年お盆には数人の仲間と四万十川とその周辺の河川に浸っていました。しかし今年の夏は私が6月から釜石に単身赴任したことで四万十川に行けず、また四万十本隊も今年はメンバーの都合がつかず中止となってしまいました。

そのためメンバーの一人の悪友Aが釜石まで来るとのことで、「四万十川遠征隊三陸支部」と勝手に称して三日間の鮎釣り三昧をした次第であります。

西日本の35℃以上の酷暑になれたオレにとって三陸はホントに涼しい。


3年前、2013年8月12日 高知県四万十市江川崎で日本歴代最高気温41.0度を記録した。オレたち「四万十川遠征隊」はまさしくその日その瞬間そこに居たのでありました。しかも灼熱地獄に輪をかけるバーベキューという愚行までおこなっていました。そう我々は大バカ者でありました。

こんな状況下で鮎釣りするとどうなるかご存知でしょうか?

四万十川は大きく蛇行を繰り返す淵と瀬が交互に現れる大河です。標高差が少ないのでゆったり流れます。そこに太陽がギラギラ輝くと表面水温は30度前後になります。ぬるま湯です。鮎は深みてじっとしています。オトリはすぐにへろへろになり中層でサスペンドしています。釣れる訳がありません。自然とオヤジたちの水泳大会になるのでありました。

そんな四万十川でも釣れるところが一か所だけありました。津賀ダムの放水口です。放水口から出て来る水は冷たい水です。計ったわけではありませんが感覚的に25℃。本流筋とは5℃は違う感じ。大鮎は出ないものの20cmクラスのアユが入れ掛りでした。当然の如く放水口のある右岸と上流から生暖かい水が流れている左岸では釣果はまるっきり違います。こんな釣り場もあるんです。

話は最初から脱線しましたが「四万十川遠征隊三陸支部」に話を戻しましょう。


【気仙川はコロガシおっちゃんのパラダイスだった】

初活動は8月13日の気仙川。

悪友Aに上流から下流まですべてを案内すべく、釜石市内から仙人峠を経由して遠野の上流側からアプローチしました。

陸前高田の横田地内まで見て、少し上流の舞出橋まで戻って釣りを開始しました。気仙川は8月になるとコロガシ釣りが解禁になります。コロガシ釣りは当地ではガラ掛けと呼んでいるそうです。そして友釣り専用区もありません。なんと友釣り師に冷たい河川でしょう。そのためコロガシ釣りがやりづらい上流部がメインになるそうですが、当日見た感じだと垢付きも悪く釣れなさそうでした。

Aは舞出橋上流の瀬の落ち込み狙いです。私は舞出橋直下の上下を狙います。橋の上下にはコロガシのおじさんがうろうろしています。友釣りをしていて、切れたコロガシ仕掛けに根掛りするととても腹が立ちます。よさそうなポイントでもコロガシのオモリでゴロゴロやられた後では鮎は散ってしまいます。昼のバーベキュータイムまでAはボウズ私は2匹でした。

バーベキューでガソリンを補給した後、Aは橋の下流200mへ。私は相変わらず橋の下流を狙います。瀬の落ち込みやトロなどで22センチくらいまでを合計7匹の釣果。Aは3匹の釣果で消化不良状態です。

この日は大船渡駅前のビジネスホテルに投宿。一杯やりながら、明日は5時出発で宮古市の閉伊川アタックと決定したのでありました。


【閉伊川のスイッチは今日も遅かった】

翌日8月14日、予定通り05:00にチェックアウト。三陸町、釜石市、大槌町、山田町を通過し宮古市の閉伊川へ。

途中、この辺りには花露辺(けろべ) 女遊部(おなっぺ) 吉里吉里(きりきり)などアイヌ語っぽい地名が多いとか、なんで南部藩なのに津軽石という名前があるのか、きっとあれは津・軽石(つ・かるいし)と呼ぶんだ、などと、高尚かつ実にくだらない民俗学的会話をしていたら、あっという間に着いたのでありました。

オトリ屋で情報を聞いたら、今日は釣り人が少ないとのこと。やっぱり田舎はお盆に殺生したらあかんのかと思いつつ、前回と同じ腹帯の放水口に向かった。

先行者3名。我々が支度をしていると4名がやってきた。お盆で釣り客が少ないというのに超過密ポイントに来てしまったようだ。見るとここにいる9名全員が上から下までDaiwa一色。Aの顔が一瞬ドヤ顔になったのをオレは見逃さなかった。

水温は昨日の気仙川よりは暖かい。でも放水口側の流れに足を入れるとひゃっこいはず。前回同様、掛り出しは遅いと推測し、放水口右岸側の浅瀬で竿出ししました。

案の定、1時間半ほど泳がせても反応なし。2匹目のオトリに変えてやっと一匹目の野鮎を取り込んだら、そこから立て続けに4連チャン。鮎はいないわけではなくスイッチが入っていなかっただけなんです。前回も2匹目のオトリに出動を願ってやっと普通のペースになったのを思い出しました。

日が上がって18~23cmクラスがポツポツ釣れます。荒瀬でも、チャラ瀬でもトロ瀬でも釣れました。Aもヘチで数匹釣った後に本調子になってきました。オレがAに近づくとAは不思議と掛けます。抜いた瞬間を写真に撮ってあげました。四万十で28cmを取り込んだ時もそうでした。結局そうやってオレはAの記録係りになってしまうのです。

【大ヤマメのライズ】

放水口ポイントの最下流まで釣り下がりました。先程まで4名が入っていたポイントです。瀬の下に大きな淵がありそれ以上釣り下がることはできません。この瀬で2匹掛けて大渕で泳がせます。水深は4-5mありそうです。岩が沈んでいれば釣れそうですが反応がありません。対岸で「ボコッ!」とライズがおきます。次の「ボコッ!」で魚体が現れます。40cmクラスのヤマメです。瀬の流れがぶっつける岩盤の周囲で頻繁にライズしています。流下してくる虫を捕食しているのでしょう。

オレはアドレナリン全開です。車に戻ってルアータックルを準備します。しかし1時間ほど投げ倒しましたが反応はありませんでした。それから放水口近くまで釣り上がりましたがこれも撃沈。イブニングライズまでまだ早い時間帯。この日は釜石泊まりなので17:00には撤収です。

昨日の気仙川より格段の充足度。体高のある立派な鮎に沢山出逢えました。ん~ん満足。

【釜石の刺身山盛り居酒屋】

この日の釣果を鵜住居の友達に届けたら釜石の銘酒「浜千鳥」の一升瓶をもらってしまって逆に恐縮。

この日の泊まりは釜石市内のサンルート。ほど近い居酒屋に入って祝杯です。コースを頼んで出てきたのが写真の刺身。山盛りです。メカジキや中トロにホタテにカツオ、変わったところはアブラボウズの刺身。下穴が緩まないかと心配して大将に聞いたら、この程度なら大丈夫とのことで安心して初めて食べました。ビールにハイボールと杯を重ねていい気分。さらに部屋に戻って「浜千鳥」をグビグビ。釜石の夜は更けていくのでありました。

【三日目も閉伊川へ】

三日目8月15日。サンルートの朝食をしっかりいただいてから宮古に出発。この日も天気が良く、三日間無事に釣りができることに感謝。

この日入ったのは昨日の下流、R106腹帯下の橋の上流側。中洲があって、その両側が程よい瀬になっていて橋直下は程よい石が詰まっている。

Aは中洲右岸瀬尻で早々にオトリを野鮎に替えた。オレは橋直下から下の荒瀬を攻めたがこれが誤算。橋脚の深瀬でハリス飛ばされたり、蹴られたりで歯が立たず、下の荒瀬にオモリを付けて沈めたら今度は根掛りで、開始1時間で1匹ロスト。

中洲に行って左岸瀬尻で竿を出すも、なんとここでも根掛り。何とか救出し、元気がなくなったオトリをチャラ瀬で泳がせると奇跡的に掛った。24cmの大型を取り込んで地獄から天国への階段を一気に駆け上がった気分になった。

それからは昨日と同じポツポツペース。決して「入れ掛り~!」とはならない。多分魚影が濃くはないのだろう。縄張り意識も低いのかアタリも「コツン」と小さいのがほとんど。でもハリスを飛ばされたりするのだから、掛った後のパワーは強い。一か所で粘っても結果は出ないので、あっちこっちとポイントを探して釣り歩く、おっさんには少しきつい釣りとなった。

Aも昨日以上に釣っており、分流の中ほどで背ッ張りの大鮎を確保していた。


【満足の三日間】

初日の気仙川はいまいちだったものの、閉伊川の二日間は満足だった。それよりなにより、三陸の涼しい夏と背っ張り鮎の強い引きは、台風増水か35℃以上の暑さとの戦いの四万十川とは一味も二味も違った夏を提供してくれた。

岩手釜石 晴釣雨読

2016年5月末に釜石移住。 慣れない単身赴任の生活と三陸の海釣りと鮎釣りを中心としたぐーたら親父のブログです。

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