「岩手・釜石でグレの乱舞を見た」の巻

仕事が詰まって来た。風邪もひいてしまった。

この一週間はプライベートで疲れ、東京出張で歩き疲れ、釜石に帰ってきたら雪チラチラで気温低下。

そのせいか関節ギシギシ、喉はガラガラ。齢55にもなると適応力、回復力とも鈍り、無理はできない体になってしまったことを実感する。


学生時代に徹マン明けで黄色い太陽を見ながら吉野家の朝定食を喰らいバイトに直行した、あの体力が懐かしい。


土曜日にみっしり体力を回復し、ポカポカ陽気の日曜日(11/13)には半日堤防の上で遊んでで体内毒素を大気に放出した。

"狙いはなんでもいい。釣れる魚を釣る"と思いながらも、現地に着くと好ポイントを物色している典型的釣り師の自分がいる。

堤防の角か、テトラの切れ目か、はたまた潮通しのいい先端部か?

嫌だね~「のんびり竿を出したい自分」と「釣りに来たからには釣らなきゃいけない」と思っている自分が混在している。もっとシンプルになれないものかね。


こだわりというか好きな釣りっというのがあって、職業柄一応はルアーも船釣りも鮎も渓流もなんでもやるのだけど、こませを撒きながらの繊細なウキ釣りが一番好き。落ち着くし癒される。所詮小物の数釣り師。

カレイやアイナメのブッコミ釣り、はたまた磯の王者イシダイ釣りのように竿掛けに掛けてじっと待っているというのが一番性に合わない。


この日はこの小白浜漁港周辺でエコギア(マルキュー)社の釣り大会が開催されていた。

参加の兄ちゃんに話を聞くと予選を勝ち上がってきた30名ほどのロックフィッシュ大会らしい。今日の大会を勝ち抜くと東北大会、全国大会と勝ち進み、全国大会では有名な折本プロや田辺プロと一緒に戦えるんだと人なつっこい顔で親切に教えてくれた。

どちらのプロも仕事でご一緒したことはあるので知ってはいるのだが、そんな話をしてたらこっちの釣る時間が無くなるので「頑張って全国大会まで行ってくださいね」と激励して話を切り上げた。


それにしてもこの大会の参加者は礼儀が良い。オレにもファミリーの釣り客にもしっかりとあいさつしてるし、翌日に漁協に聞いたら、開催にあたっての駐車場の使用とテントの設営についてきっちりと説明し許可を得ているらしい。なかなか好感が持てる。


テトラの切れ目に陣取って釣りを開始した。

磯竿1号にカヤ浮き+飛ばし浮きの2段仕掛け。アミエビ(イサダ)に集魚剤を加えた撒き餌。一般的なフカセスタイルで始めた。


近くの川に遡上するのだろう。鮭が一匹うろうろしている。

はじめて見る不思議な光景だ。釣り座の下に鮭が一匹。そこでフカセ釣りをしようとしているオレ。ちょっと感動を覚える。


1時間撒き餌をしても何も寄らず、結局ここでは赤メバルを一匹釣ったところで正面の風が強くなり、180度向きを変えた港の内側のポイントに変更。


ここでは一投目からサバの猛攻。

40センチクラスなら面白いのだけど、寄っているのは25センチクラス。深く探ってもノー感じなので、ここも早々に切り上げて先端部に移動。


100mほどしか離れていないのだがここは魚種が違う。群がってきたのはグレ(メジナ)。北国岩手にこんなにいるの!ってくらい寄ってくる。

大部分は10センチくらいのminiサイズなのだが、下の方には手のひらクラスも見える。

グレは成長が遅いほうだから、20センチで3年生と思われる。

ということはどこか近くで年を越してるってことですね。


さらに驚くことには良型ウミタナゴ数匹のそばに、タナゴとは明らかに違う魚影。

うっすら縞が見て取れる30センチクラスのチヌ(クロダイ)・・・だ!!!!!

交感神経が興奮しアドレナリン大放出。

「あれを釣りた~い!!」

「のんびり竿を出したい自分」はどこかに飛んで行ってしまった。

それからはあの手この手で脳内引き出しを出したりしまったり。

タナを変え、仕掛けを調整し、撒き餌でminiグレ分離を試みたり・・・で3時間


その間、満潮の潮どまりもあったけど、そいつはずっとオレのそばにいてくれた。でもオレと接点を持ってはくれなかった。

遊んでくれたのは小型のウミタナゴとたくさんのminiグレにフグ、小アジ。


松田稔が高知沖の島・東の鼻の高場で60センチオーバーのグレを必死に食わそうとしているのと気持ち的には何ら変わらないはず。


釣りは格闘だ。

穏やかに釣りをしているように見えても心で格闘している。

あいつを釣りたい一心で。


人間諦めも肝心で、「今日はこのぐらいにしといたろか」と張りの無い声で小さくつぶやいて帰路についた。

岩手釜石 晴釣雨読

2016年5月末に釜石移住。 慣れない単身赴任の生活と三陸の海釣りと鮎釣りを中心としたぐーたら親父のブログです。

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